埼玉石心会病院の取り組み

多職種による医療活動

NST(栄養サポートチーム:Nutrition Support Team)

栄養管理は全ての医療の基本です。栄養状態が悪化することにより、治療も効果を発揮できません。栄養管理を症例個々に応じて適切に実施することを栄養サポートといい、これを職種の壁を越えて実施する医療チームのことをNSTといいます。

チームメンバー

医師、看護師、薬剤師、栄養士、臨床検査技師、歯科衛生士、リハビリスタッフ

活動

週3回、病棟ごとにカンファレス、回診を行っています。週1回褥瘡チームと合同カンファレンスを行っています。栄養状態が良くない患者さんの栄養補給方法(食事、点滴、経管栄養)の内容を検討します。そして患者さんが良い状態で早期退院、転院ができるようにチームで検討しています。

学会認定
  • 日本静脈栄養学会(JSPEN)「NST稼働施設認定」
  • 日本栄養療法推進協議会(JCNT)「稼働施設認定」
  • 日本病態栄養学会「栄養管理・NST実施施設」「栄養管理・指導実施施設」
  • 日本栄養士会「栄養サポートチーム担当者研修 認定教育施設」

褥瘡チーム

褥瘡チームは皮膚科医、皮膚・排泄ケア認定看護師、看護科長、看護主任、管理栄養士で構成されています。褥瘡チームは週1回、院内で褥瘡を保有する患者を回診しています。回診では褥瘡の評価、治療法の検討の他にも、ポジショニング、マットレスの使用が適正か、全身の皮膚の状態なども観察し、病棟スタッフからの情報を参考にしながら治療、ケア方法を指導、助言しています。

褥瘡発見時には、発見者からすぐに褥瘡チームに情報が行き届くシステムを導入しています。褥瘡チームの皮膚科医はタイムリーに診察を行い、看護師は褥瘡発生要因分析、除圧方法の検討、管理栄養士は栄養状態を把握し食事内容の検討を行っています。また、毎月、DESIGN-Rの評価方法、ポジショニング、オムツの当て方、スキンケアなどの勉強会を実施し病棟スタッフの知識、技術の向上に力を入れています。

NSTチームと、褥瘡を保有している患者、褥瘡発生リスクが高い患者の栄養についても週1回情報共有を行っています。まだまだ院内の褥瘡発生は少ないとは言えない状況ですが、各病棟の褥瘡予防に対する意識は高まってきていると実感しています。

医療安全管理室

皆様へ

当院の基本方針のもと、医療事故の発生・再発を防止することで、患者さんが安心して安全な医療を受けられる環境を整備することを目指して、医療安全管理室が中心となり、医療事故の分析・対策・教育を行い、職員の医療安全への意識の向上を図って事故防止につなげるべく取り組みを行っています。

組織図

医療安全管理室の概要と業務内容

院長直轄の部門として、次のような業務を行っています。

  1. 患者相談窓口

    職員の態度等の接遇面や医療トラブル全般について、患者さんからの相談窓口としての業務を行っています。

  2. 医療安全対策

    各種委員会の開催

    医療安全対策委員会をはじめとするかう種委員会を指揮しています(上記組織図参照)。

    医療安全ワーキンググループ活動

    多職種で医療安全に取り組み、業務改善につなげる目的で、多職種を交えての医療安全ワーキンググループが平成25年から行われ、今年で4年目を迎えます。 医薬品、医療機器、転倒・転落、コミュニケーション、KYT(危険予知トレーニング)等に取り組み、数々の改善策を膣案・実践し、リスクマネジメントに努めています。 平成28年度は、誤薬防止、転倒・転落防止、KYTの3項目に取り組んでいます。毎年、年度末に医療安全ワーキンググループ活動報告会を実施しています。

    事故防止策の策定・広報および各部署への啓発・教育研修

    医療の安心・安全を目的にリスク感性を向上させること、およびレポートを提出することの重要性を理解してもらうために院内において勉強会を企画・開催しています。

    今年度の勉強会開催内容
    4月 入職オリエンテーション
    5月 医薬品を取り扱う際の基礎知識
    6月 医療安全の基礎
    医療メディエーションと臨床倫理概論
    7月 チームステップス - コミュニケーションエラーを防ごう -
    8月 学ぼう!正しい麻薬の使用方法
    9月 医師及び多職種による医療安全の取り組み(外部講師)
    医療メディエーションと臨床倫理概論
    10月 輸血の使用と管理
    11月 医薬品を取り扱う際の基礎知識
    12月 子どもの虐待防止
    2月 医療ガス使用上の注意

    事故防止マニュアルの作成・改訂

    院内巡回

    日々巡回を行い医療安全の働きかけを行っています。

    インシデント・アクシデントレポート

    大きな事故の背後には何倍もの小さな失敗があります(ハインリッヒの法則)。そこで、発生した事故や失敗を、インシデント・アクシデント情報として収集を行い、原因分析をして、再発防止策の策定・指導・提案を行っています。インシデント・アクシデントレポートは日本医療機能評価機構の定める区分に従い、患者さんへの影響度に応じてレベル分けし分析を行っています。

    今年度上期のレポート集計では、そのほとんどがインシデント(いわゆるヒヤリハット)のレベルであり、アクシデント(事故)は1.1%でした。事象別では、上位から薬剤に関するもの、チューブトラブル、転倒・転落に関するものなどとなっています。重大な事故を未然に防止するためには、小さなリスクの把握が必要なのです。

    医療に関する事故、紛争対応

    患者さんに対する窓口となるほか、必要に応じて医療事故(紛争)調査委員会を開催しています。

スタッフ紹介

医療安全担当医師のほか、専従の医療安全管理者(看護師)を含む4名で業務を行っています。

医療安全担当副院長 山根正久
室長 荒木妙子(医療安全管理者)
清水雅浩
菊地世紀
一条資裕

ICT(感染制御チーム)

  1. 感染制御チーム活動

    院内感染対策委員会の中心的実働部隊として各部門と協同しながら、院内感染対策活動に貢献しています。 感染制御医師を中心に、感染管理認定看護師、感染制御認定薬剤師、抗菌化学療法認定薬剤師、臨床検査技師、看護師、事務職員で構成されています。
    院内ラウンドや職員への啓蒙教育、感染制御を円滑に行うための院内規定の整備やミーティング、抗菌薬適正使用への支援、地域連携活動等を行っています。 また、厚生労働省院内感染対策サーベイランス事業へ参加し、院内の感染症発生状況を調査・報告しています。

  2. 感染対策ワーキンググループ活動

    院内感染対策委員会のリンクスタッフ会として感染対策ワーキンググループを発足し、看護部・コメディカル部・事務部の各部署の感染対策の推進リーダーを配置しています。 感染対策ワーキンググループメンバーが感染対策の推進としての役割を認識し、院内感染防止対策の実践が図れるよう、 現場の感染予防策実施状況や患者入院環境のラウンドとフィードバック、改善策の提案、伝達講習会、グループワーク、ニュース発行等の感染防止対策推進活動を行っています。

  3. ハートチーム感染対策ワーキンググループ活動

    心臓血管外科・循環器内科領域における感染防止対策強化を図ることを目的とし、ハートチーム感染対策ワーキンググループを立ち上げ、感染防止対策活動に取り組んでいます。
    心臓血管外科医師・循環器内科医師を中心に、手術室・血管造影室・集中治療室・対象患者入院病棟・感染管理室の各部署の代表メンバーから構成されています。 感染対策上の問題を深く掘り下げ、課題を拾い出すとともに、実行可能な3つのカテゴリーの「感染対策バンドル・リスト」を作成し、スタッフへの十分な周知期間を置いて浸透を図った上で実践しています。 バンドルの作成・実施・評価といったPDCAサイクルは3ヵ月単位で行っています。