診療科のご案内
外科
皆様へ
当科は1987年の開院以来常設された診療科で、地域の方々をはじめとして多くの近隣医療施設の諸先生方からご指導をいただき、狭山・入間・所沢・日高・飯能地区を中心とした埼玉西部地区の地域医療に貢献すべく邁進してまいりました。 現在、7名の外科医がメディカルスタッフと一致協力して消化器外科一般疾患の診療を行っています。
当科の基本方針は、
1.石心会の理念に基づく医療の実現、
2.地域医療支援病院として救急医療、高齢者医療、がん医療などの地域医療への貢献、
3.医師およびメディカルスタッフによるチーム医療の実践、
4.患者さん中心の医療の実行、
5.医学的根拠に基づく最新の標準的治療を提供、
6.最新医学を実践するための院外・院内での習練と教育で、地域の方々に満足していただける医療の提供をしていきたいと考えています。
外科が扱う主な病気
消化器一般外科の病気に対する手術と化学療法(抗癌剤治療)が中心です。以下に、主な疾患を列記します。
- 胃がん、大腸がん、肝がん、胆道がん、膵がんなどの悪性疾患
- 食道裂孔ヘルニア、食道胃逆流症、胆石症、胃十二指腸潰瘍、クローン病、潰瘍性大腸炎などの良性疾患
- 胆のう炎、虫垂炎、消化管穿孔、腸閉塞などの急性疾患
- ソケイヘルニア、腹壁瘢痕ヘルニアなどの一般外科
上記以外にも多数の疾患を診療しています。
外科の特色
月・水・金が手術日で、毎週15件前後の定時手術と3-4件の緊急手術を行っており、年間手術件数は700例以上です。 また、夜間・休日も救急科担当医、麻酔科医、手術室スタッフと連携して毎日緊急手術に対応しています。 術後も医師、看護師、薬剤師、栄養士、検査技師、理学療法士などのメディカルスタッフが一丸となってチーム医療を行い、より早い回復を図っています。
治療実績
以下は、2016〜2020年度の消化器一般外科診療の活動報告です。当科の特徴である手術件数、腹腔鏡下手術、救急医療、高齢者医療、その他について記載します。
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手術総件数
2020年度の総手術件数は766件を行い、その内訳は悪性腫瘍216件(218例)、胆のう炎・胆石症102件、ヘルニア214件、虫垂炎68件、腸閉塞36件、消化管穿孔32件、人工肛門関連20件、食道良性疾患1件、その他77件でした。
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悪性腫瘍手術
消化器悪性腫瘍(胃癌、大腸癌、肝胆膵癌など)の治療を当科の治療の基軸として、根治手術を目指して積極的に手術に取り組んでいます。
2020年度は胃癌47例あり、大腸癌144例、肝癌(転移性を含む)5例、膵癌・膵腫瘍8例、胆嚢・胆道癌5例の手術を行いました。 全国的に胃がんは減少傾向、大腸癌は増加傾向であり、当科でも同様の傾向でした。
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胆石手術
前日入院、術後3日目に退院する5日間の入院で、2020年には102例施行しました。 そのほとんどは腹腔鏡下に施行されていますが、最近では急性胆嚢炎に対しても腹腔鏡下での緊急手術が適応とされる症例があり、当科でも実践しています。 定例:緊急=85例:17例、腹腔鏡:開腹=95例:7例でした。
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ヘルニア手術
2014年度から内視鏡によるヘルニア修復術を導入しており、2020年度は214人の患者さんのうち、111人に適用しました。
一般手術として当院で多いのはよく脱腸といわれているソケイヘルニアの手術です。クリティカルパスを用い4日間の入院で、年間170〜190例の手術を行っており、症例数の多さでは埼玉県内でも有数の施設となっています。 -
腹腔鏡下手術
本邦の腹腔鏡下手術は1990年に胆石症に対して腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行されたのがその始まりで、以降、良性疾患だけではなく胃癌や大腸癌などの悪性疾患、虫垂炎や腸閉塞などの緊急手術、ソケイヘルニアや腹壁瘢痕ヘルニアなど体表疾患にも腹腔鏡下手術が施行されています。 当科でも、前述の如くこれらの疾患に対して低侵襲、早期回復、整容性の観点から積極的に腹腔鏡下手術を行っています。
2020年度は全手術件数766例中435例(56.8%)に腹腔鏡下手術(開腹移行も含む)を施行しました。 消化器悪性腫瘍手術では胃癌:47例中27例(57.4%)、結腸癌106例中69件(65.1%)、直腸癌38件中28件(73.7%)に腹腔鏡下手術を行いました。 -
救急医療
救急科担当医、麻酔科医、メディカルスタッフと共に365日24時間、昼夜を問わず緊急手術(来院後12時間以内の手術)に対応する体制を整えています。
2020年度は全手術症例766例中151例の緊急手術を行いました。内訳は虫垂炎50例、腸閉塞23例、消化管穿孔26例、胆嚢炎・胆石症17例・ヘルニア嵌頓9例、その他26例でした。 急性胆嚢炎や急性虫垂炎などの緊急手術にも積極的に腹腔鏡下手術を取り入れており、緊急手術151例中78例(51.7%)に腹腔鏡下手術を行いました。 -
高齢者医療
埼玉西部地区では高齢者の患者さんが多いのが特徴です。 当科では年齢のみで治療方針を決定することとはせず、本人の活動性や社会的背景も考慮して厳密な術前リスクの評価のもと、 患者さんとご家族への十分な説明と同意(インフォームドコンセント)を行い治療の方針、手術適応を考えています。
2020年度は、65歳以上の手術患者さんは766例中531例(69.3%)、85歳以上の超高齢患者さんも66例(8.6%)おられ、いずれも安全に手術を終了しています。 -
がん診療指定病院としての役割
当院は2008年、埼玉県知事によりがん診療指定病院に指定されて以降、2012年、2016年、2020年と継続指定を受けています。埼玉県西部地区医では他に防衛医大病院が指定されており、 また、がん拠点病院に埼玉医科大学国際医療センター指定されていますが、民間病院では当院だけが指定されておりがん治療の中心となる病院の1つになっています。
当科ではがんの手術治療のほかに化学療法(抗癌剤治療)も積極的に施行しており、エビデンスに基づいた最新の標準治療を行っています。2020年度の外来化学療法件数はのべ2888件(実際通院されている患者さんの数は295人)と年々増加しています。
これ以外にもがん治療に関しては、定期的に健康塾、病診連携セミナー、市民公開講座、キャンサーボードなどを開催し、地域の方々のがん知識の啓発と普及、がん教育に貢献しています。以上、当科での治療実績について、手術症例を中心に記載しました。今後も埼玉県西部地区の急性期医療、高齢者医療、がん診療などの地域医療を積極的に行い、お役に立てるよう日夜診療の邁進する所存です。 地域の方々、近隣医療施設の諸先生方のご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願い致します。
医師プロフィール
荻野 健夫
役職
診療科長/外科部長
専門分野・得意とする手技
消化器一般外科、ヘルニア外科
認定資格等
臨床研修指導医
日本外科学会認定専門医
日本救急医学会救急科専門医
日本医師会認定産業医
日本消化器病学会専門医
日本プライマリ・ケア連合学会認定プライマリ・ケア認定医
相馬 大介
役職
外科副部長
専門分野・得意とする手技
消化器一般外科、内視鏡外科
認定資格等
日本外科学会認定専門医・指導医
日本消化器外科学会認定専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会認定専門医
日本がん治療認定機構がん治療認定医
日本消化管学会胃腸科専門医
マンモグラフィ読影認定医
庄子 渉
役職
外科医長
専門分野・得意とする手技
消化器一般外科
認定資格等
日本外科学会認定専門医
臨床研修指導医
医学博士(東北大学)
齋藤 洋之
役職
外科医長
専門分野・得意とする手技
消化器一般外科
小柳 剛
役職
外科医長
専門分野・得意とする手技
消化器一般外科
認定資格等
日本外科学会認定専門医
刑部 洸(外科専攻医)
専門分野・得意とする手技
消化器一般外科
認定資格等
日本救急医学会救急科専門医
山口 洸(外科専攻医)
河村 正敏
役職
顧問/さやま地域ケアクリニック
専門分野・得意とする手技
消化管外科
認定資格等
日本外科学会認定専門医・指導医
日本消化器外科学会認定専門医・指導医
日本消化器病学会専門医
昭和大学医学部第二外科客員教授
マンモグラフィ読影認定医
医学博士(昭和大学)
胃がんX線検診読影医
お問い合わせ
埼玉石心会病院
TEL.04(2953)6611