診療科のご案内

泌尿器科

皆様へ

超高齢社会を迎えたことに伴い、泌尿器科患者に占める高齢者の割合が増加しています。治療はより侵襲を少なくし、早期の術後回復、合併症の発生を減らすことが必要です。また、機能温存治療(手術)、QOL(生活の質)を重視した治療が求められる今日、地域の皆様のご要望に応えられるよう、心がけております。
泌尿器科が担当する疾患は、下記「泌尿器科が扱う主な病気」の通り多岐にわたり、様々な症状があります。気になることがありましたら、お気軽に受診ください。

<気になる症状>

・排尿に時間がかかる、トイレ回数多い、尿がでにくい、漏れる。
 ⇒ 前立腺肥大、神経因性膀胱、過活動膀胱、尿路異物、結石、尿道狭窄、腫瘍など。

・排尿時に痛みがでる、背部痛・下腹部痛、血尿。
 ⇒(急性)膀胱炎・前立腺炎、腎盂腎炎、結石、悪性腫瘍など。

・女性の方で、下腹部や膣のなかにものが降りてきたような違和感、入浴時に膣から丸いものが触れ、夕方になるとひどくなる、常に股の間にものがはさまった感じ、尿や便がすっきりでない、下着の汚れが気になるなどの症状。
  ⇒ 骨盤臓器脱など。女性の1割に軽症~重症の方がいると言われています。

・PSA高値。
  ⇒ 50歳以上の男性は必ず健康診断や人間ドックで年1回PSAを調べましょう。
基準値をうわまわった場合は直ちに泌尿器科を受診しましょう。日本人男性で最も多く見つかる癌が前立腺癌です。

泌尿器科が扱う主な病気

腎臓癌、腎盂尿管癌、膀胱癌、前立腺癌、精巣腫瘍、副腎腫瘍、前立腺肥大症、尿管・尿道狭窄、神経因性膀胱、膀胱炎、前立腺炎、精巣上体炎、腎盂腎炎、尿道炎、尿失禁(腹圧性尿失禁)、骨盤臓器脱、過活動膀胱、間質性膀胱炎、尿路結石症など。 小児泌尿器科疾患については専門病院に紹介しています。

泌尿器科の特色

副腎・腎臓・尿管・膀胱、前立腺、精巣の疾病および女性の骨盤臓器脱等に対して治療を行っています。具体的疾患としては良性腫瘍、悪性腫瘍(最も多いのは前立腺癌)、前立腺肥大症、尿路結石、陰嚢水腫等があります。 手術方法に関しては、最も低侵襲な手術を提案するように心がけています。
このたび2025年7月から手術支援ロボット「ダビンチXi サージカルシステム」の運用を開始しました。特に前立腺癌において、今までとは一段レベルの違う低侵襲かつ高精度の手術を行っています。
2025年8月からはツリウムレーザーの稼働を開始しました。抗凝固薬や抗血小板薬を休止せずに前立腺肥大症の手術治療が可能になります。 また今までは進行度が低くても腎尿管全摘となっていた腎盂癌、尿管癌の腎温存・経尿道的切除が可能となりました。
現在、保険収載の手続き中であるMemokath045を用いた、HoLEPやTUR-P後の膀胱頚部硬化症、あるいは前立腺摘除後の膀胱尿道吻合部狭窄に対する非常に低侵襲なステント留置術を予定しています。
2020年10月から、BioJet®システムを用いた「MRI撮影及び超音波検査融合画像に基づく前立腺針生検法」、2022年4月からは「経尿道的前立腺吊り上げ術」を行っています。 個々の患者さんにあわせた診療を診断から治療まで一貫して行い、早期診断・早期治療、患者負担の少ない診療を目指しています。
また、前立腺癌は血液検査で疑いの有無を判断し、癌が疑われる場合には、精密検査を行い、早期発見に努めています。

ダビンチXi サージカルシステムについて

当院で運用を始めた手術支援ロボット「ダビンチXiサージカルシステム」は第4世代とよばれる機種です。アームが360度回転できるようになったことで、あらゆる方向からのアプローチが可能となり、手術の幅が広がりました。

ダビンチXiの特長

開腹手術、腹腔鏡手術と比較して、低侵襲かつ精度の高い手術が可能な「ダビンチXi」のメリットは下記になります。

  • 細部まで3次元立体画像で確認できる
  • 拡大視野(10倍)のもとで操作できる
  • 目的に応じた多種の鉗子が選択できる
  • 取り扱いやすく従者の疲労が少ない など

患者さんには「出血量が少ない」「機能温存が期待できる」「身体的負担が軽減される(低侵襲)」手術と言えます。

適応となる疾患

2012年に保険適応となった、前立腺癌に対する前立腺摘除術から開始しました。 浸潤性膀胱癌に対しても実施致します。骨盤臓器脱に対するロボット支援腹腔鏡下仙骨膣固定術も実施致します。 腎癌や腎盂尿管癌に対しても実施予定です。

BioJet®前立腺生検について

より安全で正確な診断を

「MRI撮影及び超音波検査融合画像に基づく前立腺針生検法」について

当院では2020年10月より「MRI撮影及び超音波検査融合画像に基づく前立腺針生検法」を行っております。この治療法は先進医療で自由診療でしたが、2022年4月に医療保険適用になりました。
一般的な前立腺生検は超音波を用いた検査が行われていますが、この超音波検査では病変の確認が難しい場合もあります。
BioJet®システムを用いたこの技術は、MRI検査で得た画像と超音波検査の画像を組み合わせることで、癌が疑われる部位をより正確に確定し、その組織をピンポイントで採取して生検を行うことができます。そのため、従来の超音波だけの検査に比べ、より正確な診断が可能になりました。

BioJet®システム(タカイ医科工業株式会社)

対象となる方
前立腺癌が疑われる場合で、超音波による病変の確認が困難な場合。

治療実績

2017年度 2018年度 2019年度 2020年度
2021年 2022年 2023年 2024年
腎摘除術 開放手術 4 0 0 0 0 0 1 0
腹腔鏡手術 10 12 8 15 4 24 15 16
腎部分切除 腹腔鏡手術 8 9 10 8 4 12 8 4
自家腎移植術 - - - 1 0 0 0 0
腎盂尿管 腎盂・尿管癌 腎尿管摘除術 開放手術 1 1 0 1 2 0 0 0
腹腔鏡手術 5 4 12 9 18 15 8 9
尿管狭窄 尿管拡張術 4 7 8 0 2 4 2 2
腹腔鏡下腎盂形成術 0 2 2 0 2 2 1 1
その他 腎盂尿管鏡検査 6 5 6 4 0 7 6 7
膀胱 膀胱癌 膀胱全摘(内、腹腔鏡手術) 7 (7) 5 (4) 6 (3) 10 (4) 9 (4) 11 (3) 3 (3) 0
  尿路変向 回腸導管 6 3 2 4 7 7 3 0
尿路変向 尿管皮膚瘻 0 1 2 2 0 0 0 0
尿路変向 新膀胱造設 1 1 2 4 2 2 0 0
尿路変更を行わない - - - - - 2 0 0
経尿道的膀胱腫瘤切除術(TUR- Bt) 59 75 67 99 114 111 119 120
膀胱瘻造設術 1 9 6 9 8 5 1 0
尿失禁手術(ボツリヌス毒素) - - - 2 6 4 3 1
逆流防止術 - - - 1 1 0 0 0
腹腔鏡下尿膜管切除術 - - - 2 3 3 2 1
前立腺 前立腺癌 根治的前立腺全摘除術 開放手術 0 0 0 0 0 0 0 0
腹腔鏡手術 22 24 24 36 52 84 49 36
前立腺肥大症 経尿道的前立腺切除術(TUR-P) 2 10 7 3 3 3 3 3
経尿道的前立腺核出術(TUEB) 16 - 0 0 0 0 0 0
経尿道的レーザー前立腺核出術
(HoLEP)
23 64 60 70 91 94 69 39
経尿道的前立腺吊上術 - - - - - 37 9 16
尿道 尿道狭窄 内尿道切開術 1 5 8 11 14 8 6 0
尿失禁防止術(TOT) - - 2 0 1 2 2 4
包茎手術(環状切除術等) - - - - 9 13 9 7
精巣 精巣腫瘍 高位精巣摘除術 4 9 6 7 28 25 22 25
陰嚢水腫手術 2 2 7 4 9 8 6 5
骨盤臓器脱 腹腔鏡下仙骨膣固定術(LSC) - 1 4 1 11 16 5 1
結石 経尿道的尿管砕石術(TUL) 12 52 59 76 93 106 79 52
TAP(TUL assisted PNL)※PNL:経皮的尿管砕石術 1 1 6 6 5 4 1 0
経尿道的膀胱砕石術 4 5 5 9 13 19 21 20
その他 上記以外 10 6 25 46 38 49 71 71
手術計 202 308 338 430 540 663 521 440
前立腺 前立腺癌の疑い エコー下経会陰的前立腺針生検 129 133 163 120 90 111 64 37
エコー下経会陰的前立腺針生検
【先進医療】
- - - 30 89 170 171 214
総計 331 441 501 580 719 944 756 691

2021年より集計期間を当年1月~12月へ変更。同時に複数の手技を施行した場合はそれぞれ計上。

医師プロフィール

坂本 昇

役職

泌尿器科部長

専門分野・得意とする手技

泌尿器科悪性腫瘍、da Vinci手術

認定資格等

日本泌尿器科学会専門医・指導医
インテュイティブサージカル da Vinci Certificate 取得(2007年2月13日)
がん医療に携わる医師に対する緩和ケア研修修了
臨床研修指導医
卒後医師臨床研修プログラム責任者講習会修了
身体障害者指定医

日暮 太朗

役職

診療科長/泌尿器科副部長

専門分野・得意とする手技

泌尿器腹腔鏡手術、尿路結石

認定資格等

日本泌尿器科学会専門医・指導医
日本泌尿器内視鏡学会泌尿器腹腔鏡技術認定医
日本内視鏡外科学会技術認定医(泌尿器腹腔鏡)
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
身体障害者指定医

畑中 弥奈

役職

泌尿器科医長

専門分野・得意とする手技

泌尿器全般

認定資格等

日本泌尿器科学会専門医・指導医
日本泌尿器内視鏡学会泌尿器腹腔鏡技術認定医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医

川端 惇也(専攻医)

専門分野・得意とする手技

泌尿器全般

巴 ひかる

役職

顧問/さやま総合クリニック 泌尿器科部長

専門分野・得意とする手技

骨盤臓器脱、腹圧性尿失禁、過活動膀胱、間質性膀胱炎

認定資格等

日本泌尿器科学会専門医・指導医
日本透析医学会専門医・指導医
日本排尿機能学会専門医
日本女性骨盤底医学会専門医
ロボット支援手術認定医
日本医師会認定産業医
国際森林医学認定医
身体障害者指定医

学会

日本女性骨盤底医学会 理事
日本骨盤臓器脱手術学会 理事
日本性機能学会 理事
日本排尿機能学会 評議員
日本老年泌尿器科学会 評議員
日本間質性膀胱炎研究会 幹事

受診を希望される方

一般外来

一般外来のご予約・お問い合わせはさやま総合クリニックへ

救急外来

救急の場合は埼玉石心会病院の救急外来を受診してください。受診の詳細はお問い合わせください。

お問い合わせ

埼玉石心会病院
 TEL.04(2953)6611 

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