低侵襲脳神経センターについて
皆様へ
皆さんが脳神経外科を受診したいと思うのは、どんな時でしょうか。
脳ドックで異常を指摘された(けど良くわからない)、家族に脳卒中の人がいるので自分も調べたい、頭痛やめまいがするので脳の病気が心配…受診したいけど「総合病院の脳外科は敷居が高いし」「本当に病気だったらどうなるんだろう」と考えて、ついためらってしまう人も多いと思います。そんな時は迷わず当センターにご相談ください。
患者さんの症状や心配事と親身に向き合い、適切な検査(MRI・CT・エコー・脳血流SPECT・脳血管撮影等)を行い、検査結果と治療方針を丁寧に説明します。患者さんと一緒に治療方針を考え、手術や血管内治療が必要な場合は、豊富な経験と優れた技量を持つ医師があなたにとってベストの治療を提供します。
こんな時にはご相談を
頭痛
頭痛を自覚して「脳卒中(の前兆)では?」と心配している方はおられませんか? 実は頭痛の大部分は脳の病気とは関係がありません。頭痛の原因は様々で、原因によって緊急性や治療法が違います。一見複雑ですが、以下のようにわけると理解しやすくなります。
- 緊急手術が必要な脳の病気(くも膜下出血・慢性硬膜下血腫等)
- 急いで検査すべき脳の病気(脳腫瘍等)
- 緊急性のない脳神経の病気(三叉神経痛等)
- 緊急性がなく脳疾患でもない頭痛(筋緊張性頭痛・片頭痛等)
頭痛診療は、CTやMRIを撮影して①または②でないかどうかはっきりさせることから始まります(①②なら手術が必要なことが多いので)。①②を否定できたら、③④のどれにあたるかを診断して適切な薬物治療を導入します。多くの頭痛は ④(筋緊張性頭痛・片頭痛等)なので、突然の激痛でない限り、ゆっくり診断を進めて大丈夫です。
多くの頭痛は「うっとうしいけれど慌てる必要はない」ものですが、一部に重大な脳の病気が隠れています。頭痛でお悩みの方は、当院でCTまたはMRIを撮影して脳疾患ではないことを確認しておくと安心です。
Point!
「突然これまで経験したことのないほど激しい頭痛が始まった」場合は、くも膜下出血の可能性が高いので、躊躇することなくただちに当院を受診してください。
めまい・ふらつき
めまい・ふらつきも、頭痛同様「脳以外が原因」のことが多い症状です。肩こり・頚椎のゆがみ・耳の病気・低血圧等、様々な病態がめまい・ふらつきを起こします。めまい・ふらつきの原因になる脳の病気には脳梗塞・脳出血・脳動脈狭窄・脳腫瘍などがあります。これらの病気がめまい・ふらつきに占める割合は小さいですが、放置すると重症化する可能性が高いのが特徴です。めまい・ふらつきを自覚される方は、当院でMRI検査を受けられることをお勧めします。
Point!
めまい・ふらつきの原因となる脳の病気は脳の奥深くにあり、複雑な骨に囲まれているためにCTでは見つけられないことがあります。また、脳そのものではなく脳血管の病気のこともあります。これらの病気の診断にはMRIが必要です。
片側の手足の脱力感
急に発症した片側の手足の脱力(麻痺)は脳梗塞や脳出血の重要なサインです。すぐに当院の救急外来を受診してください。特に「突然始まった強い麻痺」や「数時間でどんどん悪化する手足の麻痺」は緊急性のある症状です。躊躇せずに救急車を呼びましょう。
こんな時はあわてない
「全身の脱力感」は脳以外が原因のことが多いので、まずは内科で全身の評価を受けることをお勧めします。
呂律が回らない
「急に呂律が回らなくなった」場合も、脳梗塞や脳出血を疑う必要があります。脳外科または神経内科のある病院で診察を受けましょう。
Point!
片側の手足の脱力と呂律の回らなさが、そろって急に現れた場合はほぼ間違いなく脳梗塞・脳出血です。すぐに当院にご相談ください。
血縁にくも膜下出血の人がいる
くも膜下出血の原因の大部分は脳動脈瘤の破裂です。くも膜下出血の患者さんと血縁のあるご家族は、未破裂の脳動脈瘤を持っている可能性が通常より高いと言われており、くも膜下出血の予備群とも考えられます。破裂する前に脳動脈瘤を発見することができれば、予防的な血管内治療や開頭手術を行ってくも膜下出血を未然に防ぐことができます。脳動脈瘤は破裂するまで基本的に症状を出さないため、未破裂脳動脈瘤を発見するにはMRA(MRIの技術を用いて脳血管を描出する検査)が必要です。血縁にくも膜下出血の患者さんがいる方は、ご自身もMRAで未破裂脳動脈瘤の有無を確認しておくことをお勧めします。是非当院へご相談ください。
Point!
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脳ドックで異常を指摘された
最近は2万円以下の費用で脳ドック(MRI/MRA)を行っている病院が増えました。患者さんにとって安価に脳の検査ができることはとても良いことです。しかし、低価格の脳ドックでは、異常を指摘されても、その先の詳しい検査や治療方針の検討が保証されていない場合がほとんどです。
「脳ドックで異常を指摘されたけどどうしたらいいかわからなくて困っている」患者さんは、いわば「脳ドック難民」です。そのような方はぜひ当科にご相談ください。どこの医療機関の脳ドックであっても、結果を当センターにお持ちいただければ、その所見を専門的に評価し、患者さんにわかりやすく説明し、患者さんと一緒に治療方針を考え、手術や血管内治療が必要な場合は、豊富な経験と優れた技量を持つ医師があなたにとってベストの治療を提供します。安心して当センターにお任せください。
脳ドックのご案内 〜MRI/MRA検査をご希望の方へ〜
MRIは、磁石を利用して脳や脳血管を画像化する検査方法です。X線を使用するCTよりも微細な脳の異常を検出することができます。造影剤を使わずに脳血管を可視化できるので、通常の健康診断やCTでは見つからない未破裂脳動脈瘤や脳動脈狭窄を見つけることができます。患者さんの体に負担をかけないことも大きな利点です。頭痛・めまい・痺れ等、脳疾患を疑わせる症状があり、医師が必要と判断した場合は、保険診療(一定以内の自己負担額)でMRIを撮影することができます。
保険診療でMRIを撮影する根拠となる症状がない場合は、自費で脳ドックを受ける方法があります。脳ドックの内容と費用は各病院で異なりますが、費用は数万円(だいたい5万円前後)です。脳動脈瘤や脳動脈狭窄がないことを1度確認しておけば数年間は再検査の必要がないことを考えると、費用はかかりますが安心です。気になる方は脳ドックを受けられる医療機関をチェックしてみましょう。
石心会グループの『さやま総合クリニック健診センター』でも脳ドックを行なっています。特に、親族にくも膜下出血や未破裂脳動脈瘤の患者さんがいる場合は、1度脳ドックを受けることをお勧めします。